私が国際ロマンス詐欺で初恋を消費してから3年が経とうとしています 3

前回のあらすじ

向こうがガチ恋風味で怖いなーと思ってたのにいつの間にかこっちがガチ恋してた

 

ということで、チャットの向こうのHLを騙る何かに本気で恋をしてしまった私だったが、1つだけチャットで封じてた言葉があった。

"I love you"である。

いやね、恋しちゃって向こうも甘々チャットを送ってくれてるとはいえ、流石にこの言葉は一線超えちゃってる気がしたのだ。

だから"I adore you"とか"I care about you"とか言って数日間は濁してた覚えがある。

しかし私だって腐っても(実際腐女子でもある)恋する一人の女である。やはり気持ちは誤魔化さずきちんと言葉にしないと伝わらない。たとえ相手が有名歌手で本物なら30年歳が離れていても。


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意を決してチャットで伝えた。

I love you 

と。

HLはとても喜んでくれた。I LOVE YOU TOO って返してくれた。天にも上がれるくらいの気持ちになった。

 

次のチャットまでは。

 

「愛する君に頼みがある。君ならきっと分かってくれるはずだ。聞いてくれますか」

いいとも、きっと一緒に住むとか結婚するとかは無理だけどみたいな話だろう。そんなのは重々承知しているぞ。でも好きなんだよ……。

「世の中の恵まれない子どもたちのために、私は基金を立ち上げたんだ。君も協力してくれないか」

え、そっち?

まあいいけど。HLがユニセフのアンバサダーをしたり、毎年クリスマスにチャリティ活動をしてるのは知ってるし。私にできることって何かしら。好きな人のしてる事業にはぜひ協力したいわ。

ということで、「分かりました!」ってつぶやいて寄付をすることにした。ちょうどHLの公式アカウントでは、恵まれない子どもたちのために勉強道具や楽器を送るチャリティプロジェクトを始めたことを告知していた。


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おそらくさっきの言葉はこれのことだろう。リンクを開き、ざっと趣旨とHLが寄せたコメントを読んだ。寄付金額や使途別にいろいろなコースがあったが、ケチケチ学生だった私は楽器プレゼントコースに10ユーロほど寄付をした。

しばらくすると寄付ありがとう!のメールが届く。私はすかさずスクショして彼とのチャットに「あなたが言ってた基金に寄付しました」と投稿した。

きっと喜んでくれるだろう。そう思って返信を待った。マナーモードにした携帯が震える。スリープモードを解除する。インスタを開ける。

「どういうことだい?分からない」

寄付したのですが……。どういうことだい?分からない。

「これはあなたが関わってる基金よね? 違ったの? もしかして早とちりしたかもしれないから、基金について教えて?」

確かに、詳しいことを聞かずおそらくこれだろうと先走って寄付したのも事実である。もう一度聞いておこう。

「私が個人的に運営している基金がある。そこに寄付して欲しい」

オーケー了解。個人基金をしているのは知らなかったけど、どういう感じの基金なんだろう。調べてみよう。

↑なぜか知らないが、ググってみようという気持ちが起きた。

あれ、どう探しても基金をやっているという情報が出ない。英語じゃなくてオランダ語やドイツ語でも出ない。おかしいな……。

ここでふと(ようやく)私の脳みそが一つの言葉を考え始めた。

「国際ロマンス詐欺」

こりゃしてやられた。絶対これじゃん。存在しない基金に投資させられるとこだったんか私。おお怖い怖い。

100年の初恋が一気に冷めた私は「おはよう、気分はどうだい?」とチャットされたDMに乗り込み、意気揚々と書き込んだ。

「この詐欺師め! 最悪!!」

書き込んだ勢いでファンアカウントをブロックし、履歴をきれいに削除した。

削除したらなんか気持ちよくなったのでそのまま部屋を掃除した。きれいになった部屋で迎えた新年は、とても爽やかなものだった。

 

私が国際ロマンス詐欺で初恋を消費してから3年が経とうとしています 2

前回のあらすじ

推しを騙るなにかからDMが来て、油断してたから普通に会話を始めた。(最初にDMが飛んできてから2日くらいまで)

 

HLを騙るなにかへ趣味や仕事について一通り話したあたりだったか。向こうの調子がなんかおかしくなった。端的に言うと甘くねっとりした雰囲気を醸すようになった。

なんなんだ、下心が透けて見えるがなんなんだ。

そうは思ったが推しに砂糖振る素振りをされてなんかまんざらでもない気持ちになる。


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↑インスタのDM風フリー画像がねぇぇ〜〜〜〜〜

 

「あなたに会いたい」「ぜひライブに来て、特別な君と会いたい」「僕も日本に行きたい。一緒にご飯食べよ」

はわはわはわ大丈夫かこれ。懸想されてない? 私がいくつでどういう人間が知ってるやろ? とはいえ、せっかく話しかけてきてくれてるのに今さら無視するのも気が引けたので、

「いつかあなたのライブを観に行きたい」「私はあなたの姿を生で観られるだけで満足」「来て日本でライブしてくれる日が楽しみ!」

て感じで無難に返事を重ねた。今思えばこれがよくなかった。皆さんは文章越しの相手から突然下心が見えるようになったらすぐ引き返してください。

人間は不思議なもので、はわはわはわと困惑していてもマシュマロのように愛を囁かれまくるとだんだん情がわくのだ。


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今、彼は何をしているのかな。時差は8時間ほどだからもう寝ている頃かしら。あ、コメントが来てる、って送ってくれたの現地時間夜1時じゃん、お願いだから寝てほしいよ心配になるよ……。会いに行きたい、あわよくばライブ観た後に会って2人で話したい。頑張って英語覚えなきゃ、いやオランダ語(HLはオランダ語母語、その他英独仏語が堪能。すごいと思う。)のほうがいいかしら。

という感じで、やりとりを始めて1週間、甘々モードになってから5日経つ頃にはすっかりDM越しの彼にぞっこんになってしまった。暇さえあればインスタの通知が来てないかスマホをのぞき、来ていたらすかさず返信。朝はおはようのメッセを送り、夜はお休みのメッセを送って眠る。LINEのチャットも億劫でたまらない私がここまでなるのだ。恋とは恐ろしいものである。

 

次の記事に続く

 

私が国際ロマンス詐欺で初恋を消費してから3年が経とうとしています

※ネタバレ:未遂です。安心してください

 

あれは忘れもしない、2020年の年末。

その頃私は塾講師のバイトをする傍ら、大学のゼミで知り合った陽キャの友人に教えてもらったインスタを眺めていた。始めてからおよそ1年、ようやく投稿とストーリーを使い分けできるようになり、友人や先輩のほか推し歌手のアカウントもフォローし始めた頃である。

推しの実名出して詐欺に騙されかけたなんて言うのはあまりにちょっと情けないので、歌手の名前は仮にHLとしよう。

そのHLの「ファン交流用アカウント」から、DMを飛ばす許可が飛んできたのだ。

 

……とまで書いたところでどういうメッセが来たのかあんまり覚えてないのに気づく。そういえばスクショもとってない。うわ、激情に任せて全部消すんじゃなかった。

もういいここからは記憶をひっくり返して書いてやる。

 

確か、最初にマネージャーからの投稿って体で「HLがあなたに興味があるようで、会話をしたいと言っています。話し相手になってもらってもよろしいでしょうか」っていうDMがインスタに来たのだ。

HLが日本人とか日本でもよく知られてるアーティストだったら、この時点で多分はいはいスパムスパムってブロックしていただろう。だが、HLは日本でほぼ無名の存在。私も日本で推してる仲間は1人しか知らない。だから、少し油断をしてしまったんだと思う。「もしかしたら日本人のファンは珍しいから変な興味が湧いたんだろう」と。あと普通に面白そうだとも思ったし。

ということで、最初のDMが来てから数十分後に「私でよければ、話に付き合いますよ」と返信した。


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↑調べたら今でもなりすましが大量に出てきた。よくない

 

そしたら、しばらくの後「本人」から連絡が来た。

最初は

「はじめまして、話をすることができてとても嬉しいです。貴方はどこに住んでますか? 趣味はありますか?」

みたいな感じの英語だったと思う。

「私は日本に住んでいます。趣味は読書とあなたの曲を聴くことです。あなたと話ができて嬉しいです」

って感じで返した。意外と覚えてるな。

そこから「休日は何をしているの?」「仕事は何をしてる?」「結婚はしてる?」って感じで質問をされて、英語で素直に答えていった覚えがある。私は英語があまり得意じゃないので、日本語で翻訳向きの作文をしてDeepLで訳した英文を貼ってた(笑)

ここまでは私も純粋にHLと話ができて嬉しいと思っていた。

続きは次の記事にて。

 

騎士道というか宮廷風て感じの恋愛っていいよね。あと私の最愛の曲を聴け

やんごとない御婦人(だいたい主君の細君)に敬愛と恋愛の中間、ちょっと崇拝くらいの気持ちを持ち、願掛けや誓いは御婦人の名をもって立てて、戦での手柄は御婦人に捧げるみたいなあれ。

完全プラトニックで、結ばれるなんてハナから思ってもないしくっつくつもりで愛してんじゃないって自信を持って言えるたぐいの恋愛(でもごっこ呼ばわりされるとキレる)。

私こういうのめちゃくちゃ好き。推しぢゃん。手が届かないからこそ憧れもひとしおよ。推しはガチ恋派ってのも強いけど私は断然騎士道恋愛派。まあ私は騎士は騎士でもフェーデ三昧の盗賊騎士タイプが好みなんですが(話をずらすな)

 

なんでこんなことを急に言い出したかって。私が心から愛する曲を紹介する導入を書こうとしてぐだついたからです。

youtu.be

Barry Ryan ”Eloise”

とりあえず上の動画のとこクリックして聴いてきてほしい。CM含めて6分半くらい待つから。その間Togetterでも見て時間つぶすから。

 

聴きましたね。その通り、騎士道的恋愛要素が入った曲だね。

歌う側の視点だと美しきエロイーズは決して手に入らない存在っぽい。

そして途中からPVは騎士と貴婦人の物語のような展開になる。うーん最高。

 

これ見てると、ヨーロッパでスマッシュヒットしてアメリカでは大コケした理由がかってきた気がした。新興国アメリカ人に騎士道恋愛の奥ゆかしさとか崇高さがわかるはずがないのである。(偏見)(ステロタイプ)(適当)

 

まあなんか、勝手に書き散らして支離滅裂さを帯びてきたのでこのお話はここでお開きです。

とりあえず、バリー・ライアンのエロイーズは神曲だってことだけ覚えてブラウザバックしてください。以上です。

お酒をゆっくり楽しむなんて、私にはできない

知ってるよ! 集団で酒を飲んで、飲みまくって、酔っぱらって大声で騒いで、あけすけな話もしちゃって、ぐっでんぐっでんの千鳥足で酒臭い口から下手な歌を放つような人間は非常によろしくないので嫌われることくらいは!

入ると空気が少しむっとしていて、卓は台ふきで拭ってあるけど少し油っぽくて、お酒は気持ち薄くて安っぽくて、やや無気力でベルを鳴らすとしぶしぶ注文取りに来るような大学生がメインで働いてるような居酒屋は紛れもない悪だからいなくなってほしいというのもよく分かる。私もかつて引っかかってGo Toイートで半額じゃなかったらはったおしてやろうかって思ったことあるし。

 

でも私は何も言えない。だって私こそが集団の中で飲んで酔っぱらって大声であけすけな話をして酒臭い口をあけて放歌する人間だから。安くてごみごみとした居酒屋の薄い酒が嫌いじゃないから。おまけに握手魔(酔うと周りの人間に握手をお願いして回る現代公衆衛生の敵)である。

そして何もできない。私はちゃんといいお酒を出してくれるお店や自分の私的な空間で、一人もしくは少人数で出どころ確かな美酒をゆっくり味わうなんてうまくいかないから(念のためいうとそのような場は嫌いじゃない、けど楽しめる自信がない)。

見苦しく言い訳をすると、人生最初の(自分も飲酒する)飲み会がゼミの顔合わせ会だったのだ。2年ゼミのそれなんて、安いチェーンの居酒屋で、覚えたての酒をかぱかぱ飲んで、ブレーキの踏み方も知らないまま大暴れするひどいものだぞ。どこもそうだからみんな分かるでしょう!? そこで完璧に誤学習したらそうなるにきまってるよ。さらに責任転嫁をすると、私の家族は酒を飲まず、私の知り合いは私より酒豪がそろっていたのだ。これでゆとりある飲み方ができる大人になるって、まず無理よ。

情状酌量を狙うつもりはちょっとしかないけど、後悔だって何度もしている。飲みすぎてお目当ての料理を食べきれなかったり、某元首相もびっくりの失言王になったり、大声で迷惑をかけたり……布団の中でため息なんていっぱいついた。でも次の会では変わらず飲んでしまうのだ。

 

神よ、もしくは仏、もしくは何か偉大なものよ、私に飲酒時の自制をください、いいお酒を飲んで満足できる、べろんべろんにならなくても満足できる脳をください、このような浅ましい願いを堂々書いてしまう私に喝をください。

2023年10月22日 珈琲院 弱

自己紹介から始めるのがいいのかしら

こんにちは、珈琲院 弱と申します。声に出してお名前を読んでくださる際は、「かふぇいん よわし」と呼んでくださるととっても嬉しいです。「こーひーいん」って呼んだら怒るから気を付けてください。嘘ですちょっとしか怒りません。

 

住むのは岐阜県。遊ぶのは愛知県。働くのは岐阜県。岐阜なんて嫌いだ(これも嘘ですごめんなさい)

 

自称自由の人間なので、趣味はいっぱいあります。趣味がたくさんあるなら自由じゃないって思ったそこのあなた。あなたのほうが賢いと思います。

例をあげるとお料理とか小説家になろうに投稿されてる小説を読むとか歴史をおもちゃにして遊ぶとか(だからフリー素材な時代や亡国が好き)歌を歌うとか踊るとか好きな人を考えながらぼんやりするとか。最近水たばこを覚えてちょっとだけ悪い子になりました。

 

好きな色は赤。亡きおばあちゃんは古い人間らしく私に赤い服を着せまくった。あれから黄色とかターコイズブルーとか中二病らしく黒とかに浮気してたけど、三つ子の魂百まで、おばあちゃんの英才教育。やっぱり私は赤が好き。

 

好きな食べ物は二枚貝。カキとかホタテとかアサリとか好きです。お魚も好きです。すり身はもっと好きです。かまぼこで買収されないよう日々気を付けています。

 

あんまり書くとこれで書くことがおしまいになりそうなのでここまでにしておきます。ブログは長く続けるのが大事って誰かが言ってた気がしないでもないし。

 

それでは、おやすみなさい。